あの人のラーメン物語

デザイナー ドン小西

第9回 デザイナー ドン小西

僕からの贈るコトバは、
絶対、あきらめちゃ駄目。

ラーメンとファッションに共通する成功の法則とは。

「正しいファッションの道とは、自分を知り、より良い自分をアピールすること。輝いている男は極意を心得ている」と語るドン小西さん。
メンズファッションの第一線で38年活躍、辛口ファッションチェックでも人気のデザイナーに「ラーメンとは?」訊いてみた。

テレビの番組でラーメン特集やるというので、僕ラーメンは詳しくないって言ったら、じゃ行きましょうと。20軒くらい回って判ったことは、ラーメン屋さんとファッション業界は、よく似ている。
共通する成功の法則があるね。
飲食業に関わる人で、ファッションに興味ないです・・・こういう人はもう最初から適性に欠けるのだから十倍の精進が要る。
なにしろ「感覚」が勝負なんだから。
ファッションは、センス。
歳や体型、収入ではない。
生きていくために一番大切なのは、センスであると僕は考える。
自分を客観的に見る能力を養うのが大事。
そのためには訓練して知ることです。
お洒落な人は自分のことを知ってる。
知っていれば自己検出ができる。
自分で自分を視る眼と人から視られる眼に誤差がない人が、真のオシャレといえます。

<自分で読んで、自分で考える。>
センスが良いと評される人は、観察力、洞察力に優れています。
僕はいつも若い人から尋ねられると、まずは新聞や本を読め、と応える。
活字が嫌い、は、考えるのが嫌いと同じ。
言葉こそが賢さの証しでしょ。
メディアにおける映像や音声は一方的に受け取るもので、受け身であれば意味は入ってきますよ。しかし書かれた言葉はそうはいかない。読まなければならないから。
すなわち能動的に関わって意味を取り出すことが、考える、ということなんだよね。
自分で読んで、自分で考える。
読むのがイヤなのは考えるのがイヤだ、と。
誰かが評価したことをそのまま採り入れて平気な人は、いつまで経っても上級へは進めません。

<想像力を磨くべし。>
次に大切なのは想像力。
現在、起きていないことを推し計る力。
ファッションはお弁当のオカズなんだよね。バランスが大切。
また、その人を映し出す鏡でもある。
例えば30年前の洋服着た人間に、これからの日本の経済は〜とか言われたくないでしょ。服には着る人の本質がモロに出るんです。
どんな職種でも何かを成し遂げる人の服は輝いている。高級品である必要はなし、時代の空気の最大公約数的なところを形にしている。
それはいろんなものに挑戦してきた結果であり、ほとんどジャージーで過ごしてきた人は服を着慣れてないから伸びないまんま。
容姿に自信がないとか顔が大きいとかマイナス部分にばかり固執せず、自分の骨格や微量の美点を知っている人が成長していく。
意識を高めてきた人のセンスは、お酒の席での冗談に表れるんだよね。ある意味集大成として。コワイですよ。
想像力は創作力とも相通じますね。
流行っていて元気のあるラーメン屋さんは例外なくセンスがある。味は無論のこと、居心地のいい内装、客への応対、器、BGM、これ全部ファッション感覚の成せる術だもんね。
通奏低音が同じ、という理由です。
イケてる男を目指してください。
服に自信が持てると、世界が変わる。
背筋が伸びて足取り軽やかに、明るい表情になると、運も良くなる。
新しい仕事にチャレンジしたり、可愛い子を食事に誘ってもみたくなる。
元気を目指してセンスを磨いて欲しい。

僕からの贈るコトバは、
絶対、あきらめちゃ駄目。